トラブル脱出マニュアル

ドライブ中の突然のトラブルに対処できるようにしよう

エンジンがバラついてパンチがない

原因はいろいろ考えられるが、プラグ・プラグコードの劣化が怪しい。年式の古い車はまずここを疑ってみよう。プラグコードのリークは夜なら目視できるし、ラジオのノイズが大きくなる。

燃料フィルターの詰まりの可能性もあり。

回転が上がるわりに加速しない

エンジンの回転が上がるのに、スピードが比例して上がっていかない場合は、クラッチが滑り出している。急な坂で坂道発進がしにくくなったらその可能性は高い。窓を開ければ焦げたようなにおいがするかも。動けるうちにクラッチ交換を頼もう。

ATの場合は、ATフルードの劣化によって駆動ロスが生じたり、ギアをチェンジするバルブの切り替えがスムーズにいっていない可能性もあり。この場合、とりあえずATフルードを交換して様子を見てみる。それでも改善されない場合は、分解整備してプロに見てもらうしかない。

MTのギアの入り方が渋く、鳴くこともある

クラッチの切れが不良になっている証拠。無視しておくと「ミッション破損」になる可能性もあるので要注意。だから、すぐ点検・調整をする必要があり。

機械式クラッチは調整で直る可能性があるが、油圧式クラッチだったらオーバーホールが必要となる可能性があり。また、特定のギアにシフトした時だけ鳴るようだったら、すでにミッションがダメージを受けている可能性大。最悪のケースではミッションのオーバーホールが必要。

AT車で変速ショックが大きくなった

ATフルードの劣化や不足が考えられる。ボンネット内のATフルードのレベルゲージを抜いて量と汚れを確認しよう。汚れていたら交換だ。それでも直らなければATのオーバーホールをしなければならない。

ATシフトレバーを「N」から「D」に切り替えたときに、すぐギアが入らなくなったときは要注意。特定のギアに入らなくなったときも、とりあえずATフルードを交換して様子をみてみよう。

エンジンの回転が重く、高回転が回りにくくなった気がする

冷却系と潤滑系が正常に機能しているにもかかわらず、そのような症状がでたとすると、エンジン内部や吸入系にスラッジやカーボンが堆積している可能性がある。

チョイ乗りが主体だったり、すでに5万〜6万キロ走破した車だったらその疑いは濃厚。試しに市販のエンジンコンディショナーを利用してエンジン内部のクリーニングをしてみるといい。(一般的に「エンジンフラッシング」という名称で各カー用品店で作業があります。)また、エンジンオイルが劣化すると、やはり回転が重くなってくる。まずはオイルを交換して様子を見てみよう。

たまにはアクセル全開でレッドゾーン付近までエンジンを回してあげると、スラッジ・カーボンは堆積しにくくなります。

オーバーヒート気味になる

冷却水(クーラント)不足が最大の要因となる。なぜ冷却水が減るのかをチェックしなければならない。ラジエーターキャップの不良、サーモスタットの不良、エアの混入、ホースやラジエーターの物理的破損など、複数の原因が考えられる。

また、冷却水を2年以上交換せずに使用したり、水のみの補充でLLC濃度が薄まっていた場合、冷却経路内がサビて詰まっている可能性もある。冷却水が茶色くなっていたら要注意。

オーバーヒート

オーバーヒートしたときは、停車してエンジンをかけたままボンネットを開く。そしてクーラントのリザーバータンクの残量を確認しよう。絶対にラジエターキャップは開かないこと(熱湯が吹き上がる)。クーラントの量が正常な時は冷却ファンが回っているか確認しよう。ファンが回らない時はファンベルトが電動ファンの車なら、ヒューズの状態をチェック。オーバーヒートのダメージは大だ。

エンジンがなかなか止まらない

イグニションキーをOFFにしてもなかなかエンジンが止まらないのは、エンジン内に固着したカーボンが熱を持っているからだろう。たいていはスロットルを開いて冷気を吸えば解決する。

エンジンルームから異音がする

キューキューという音ならば、ベルト類が滑っているのかも。ベルトの張り具合、ひび割れなどがないかを見て必要ならば交換する。ガラガラした音ならウォーターポンプのベアリングかも。

カチャカチャという音ならば、ラッシュアジャスターかも。これはオイルを新品にすれば小さくなる。古い車だとタペット調整が必要な場合もあるが、オイル交換で改善する異音は多い。

カタカタという音ならば、バルブクリアランスの自動調整機構がトラブルになっている可能性あり。オイル不足や劣化、スラッジが溜まるなどして作動不良に陥るとバルブを叩く音を発するようになるからで、無視しておくと次第に音が大きくなり、最後にはエンジンにダメージを与えてしまうので要注意。エンジンが暖まってもそのような音が出る場合はプロに見てもらう。

アイドリングが定まらない

空気温センサーや水温センサーなどが故障すると、アイドリングが不安定になることがよくある。タコメーターの針が200〜300回転と波打つように回転が上下するようになったなら、センサー不良かコンピュータがなんらかの問題を抱えていると考えられる。また、吸入系の途中でエアを吸っていても同様の症状が起きる。

車の下から何か漏れている

エアコンを使用した後で、車体前部付近から無色透明の水だったら問題なし。赤や緑の液体は冷却水(クーラント)の漏れ。すぐプロに見てもらおう。

漏れていたのがオイルで、それが路上にシミが残るほど漏れていたら要注意。エンジン、ミッション、デフ、ブレーキのどこかのオイルが漏れている可能性がある。これもすぐプロに見てもらう。

油圧警告灯がつく

エンジンをかけても油圧警告灯が消えない場合は、オイル量が減っている場合がる。エンジンを止めて2〜3分経ってからレベルゲージを見てオイル量を確認しよう。L以下だったらオイルを注ぎ足す。

ブレーキが効かない

ブレーキが効かなくなる理由は、熱の持ちすぎなので、ブレーキが甘くなった時は、そのまま走らずブレーキを冷ます。また冠水道路を走った後は、ポンピングブレーキでブレーキを乾かしておこう。

長い下り坂などでブレーキを多用するとだんだん効きが甘くなってくる。万一全然効かなくなったら、ペダルを何度も踏みなおし、それでもダメな場合はシフトダウンによってスピードを落とす。

ブレーキを踏むと異音がする

ブレーキを踏むたびにギィーという音がする時は、パッドの残量を疑おう。純正パッドはパッドの減りを音で知らせる金属の爪がついているからだ。通常のブレーキ鳴きとはあきらかに音質が異なるので、聞きなれない金属音が聞こえた場合は要注意。早めに交換しないとローターが傷つく。

ブレーキを踏むたびにペダルに振動が

ブレーキペダルを踏んだ時に、ペダルに振動がくるというのは、ローターに原因がある。長年の使用でローターが波打ってきたのだろう。ローターも消耗品なので、交換か研磨が必要だ。

ブレーキペダルがフカフカする

ブレーキの踏み応えがなくなったというのなら、ブレーキフルードの中に熱でエアが混入したのだろう。悪化するとブレーキを踏んでも効かなくなるので、エア抜き作業をしてもらおう。

サイドブレーキを戻してもブレーキ警告灯がつく

これはブレーキフルードの液面が下がってきた可能性がある。液面はパッドが磨耗すると下がってくるのでパッドの磨耗を疑おう。パッドの液量がある場合はラインが怪しい。

スターターが回るのにエンジンがかからない

スターターが元気よく回るのにエンジンがかからないという場合は、ガス欠の可能性が大。もう一度燃料計を確認してみよう。ガソリンが入っている場合は、ヒューズ切れ、セルモーター不良、プラグの劣化、各種センサー不良など怪しい。

スターターの回りが弱い

スターターの回りが弱いのは、バッテリーがヘタっている証拠。とりあえず、オーディオ、エアコン、ライト、ワイパーなどの電源をOFFにし、MTならクラッチを切ってスターターを回してみよう。

バッテリーが上がった

バッテリーの重要度は、ガソリンと同等。上がったらジャンプコード(ブースターケーブル)を使うしかない。ブースターケーブルの繋げ方は以下の通り。

(1) 故障車のバッテリーのプラス端子に赤色(+)端子のケーブルをつなげる。
(2) 救援車のバッテリーのプラス端子に赤色(+)端子のケーブルをつなげる。
(3) 救援車のバッテリーのマイナス端子に黒色(−)端子のケーブルをつなげる。
(4) 故障車のエンジンフックなど(車体の金属部分でもOK)に黒色(−)端子の ケーブルをつなげる。
(5) 救援車のアクセルを踏んでエンジン回転を上げる。 故障車のエンジンをかけてみる。 少しでもエンジンがかかりそうになったら アクセルを踏んでみる。
(6) ケーブルをはずすときは逆の手順ではずしていく。

ジャンプコードを使う際、救援車のエンジンはかけておくこと。またバッテリーの寿命は使用状況や電装品の負荷により異なるが基本的に約2〜3年。2年以上使ったバッテリーでライトの消し忘れ等特に原因がなく上がった場合は、新品に交換しよう。

ウインカーの点滅速度が速くなった

ウインカーの点滅速度が急に変わった場合は、ウインカーの電球のどれかが球切れになった可能性がある。方向指示の出ない車は非常に迷惑なので、早めに電球を交換しよう。

エアコンをつけると嫌なにおいがする

冬の間、エアコンを使わずヒーターだけ使っていた人は、ほこりやタバコのヤニがエバポレーターに固着して、悪臭が出る場合がある。市販のエアコン用消臭剤を使ってケアしよう。

エアコンの効きが悪い

冷媒ガスの不足が一番怪しい。リキッドタンクののぞき窓を見て気泡が多ければ冷媒ガスを補充しよう。ガスがあるのに効かない場合は、コンプレッサーやエバポレーターなど重症の可能性がある。

マフラーから水が出る

燃焼ガスに混じっていた水分がマフラーで冷えて水になることは珍しくない。しばらく走れば消えるはずだが、いつも低回転しか使わない人は、溜まる可能性あり。高回転も使わないとタイコが腐る。

マフラーから白い煙が出る

白い煙はオイルが燃焼している証拠。アイドリング時に次第に煙が増えてくるのは、オイル下がりといってエンジンのヘッド周りのヘタリか、タービンのコンプレッサー側のトラブルだろう。
アクセルを踏むと煙が増える場合はオイル上がりといってピストンリングなどの磨耗か、排気タービンのトラブルの可能性がある。いずれにせよほっといても直るものではないのでプロの診断を。

マフラーから黒い煙が出る

ガソリン車で黒い煙が出るというのは、何らかの理由で燃料が濃い状態になっている。エアクリーナーが詰まっていたり、水温センサーが故障していたり、コンピュータのトラブルなどが考えられるが、そのまま走行を続けずにプロのメカニックに見てもらおう。

排気音が大きくなってきた

これは排気系のトラブルなので、マフラーに穴があいていたり、ボルトが取れたり、ガスケットが抜けた可能性がある。純正マフラーはスチールなので長年使っているとさびて穴が開くことも。

タイヤがパンク?

パンクの原因No.1は釘(特にリアが多い)。タイヤに釘が刺さっているのを発見した時、まだエアが抜けていなければ釘を抜かずにタイヤショップへ。先に釘を抜くと一気にエアが抜ける可能性がある。

高速走行でハンドルがぶれる

時速100キロ付近でステアリングに振動が伝わってくる場合は、ホイールバランスがくるった可能性がある。タイヤのバラスとの位置がずれたか、取れてしまったのが原因。バランスを取り直そう。

真っ直ぐ走らない

ハンドルを真っ直ぐにすると左右どちらかに流れてしまうという場合は、タイヤを縁石などに当てた時にホイールアライメントがくるった恐れがある。専門ショップで調整(2万円前後)してもらおう。

タイヤが片減りする

タイヤが均等ではなく、外側もしくは内側だけ片ベリする車も、ホイールバランスが狂っている可能性がある。アライメントは車高を下げたり、インチアップでもくるう場合があるので要再調整。

タイヤノイズが大きくなった

最近何となくタイヤノイズが多くなったというときは、まずタイヤの空気圧を疑ってみよう。指定空気圧よりも0.2〜0.3kgも低くなると抵抗が増えて、タイヤノイズが大きくなる。

速度に比例して振動が大きくなる

タイヤのまわりのガタが考えられるので、まずホイールナットがきちんと締まっているか確認してみよう。タイヤ交換をした後、増し締めをやっておかないと以外に緩んでいる場合がある。

タイヤの空気の抜けが早い

空気圧を調整しても、数日間で0.2〜0.3kg下がってしまう場合は(冷間時)は、スローパンクチャ−の可能性がある。トレッドの表面に異物や傷がない場合はバルブが怪しい。専門店で点検を。

進路変更で車がふらつく

進路変更などで小蛇角の時に車がふらつくには、タイヤの左右で空気圧が異なる可能性がある。月に一度は空気圧を点検しよう(スペアも)。タイヤが冷えている時に指定空気圧にする。

タイヤがパンクした

タイヤがパンクするとパンクしたタイヤの方向にタイヤがとられるが、急ブレーキなど踏まずにゆっくり路肩に寄せて停車。ジャッキポイントに正しくジャッキを当ててスペアタイヤに交換しよう。

スペアタイヤがない場合、自分でタイヤ交換ができない場合はJAFなどを呼びましょう。

ヘッドランプがつかない

片側だけヘッドランプがつかなくなったというときは、たいていランプの球切れ。そのまま片目で走るのは危険なので、電球を交換するか、ライトの上半分にガムテープを貼ってハイビームで走ろう。

ウォッシャー液が出ない、当たらない

ウォッシャー液のノズルにワックスなどが詰まってしまったのだろう。曲げたクリップや安全ピンなどでノズルをつけば直るはず。液の当たる位置も針で穴を動かして調節できる。

油膜がギラギラ

外側ならばクリンビューなどの市販の油膜取りスプレーを。ワイパーのゴムに油分がついていることもある。内窓は水拭き雑巾で拭き、すぐに乾いたウエスで拭き取ればOK(ウーロン茶も多少効果があるとのこと)。

ワイパーのビビリ

参考写真:PIAA シリコートワイパー

これはもう交換するのが一番。アームごと交換すると高いので、ブレードゴムだけ替えゴムを買ってきて交換するのがリーズナブル(ただし、ブレードがヘタっている場合は、ブレードごと交換が必要)。雨の日はただでさえ視界が悪いので、新しいブレードで気持ちよく。

ドライブ中車が止まってしまって、自分で直せないときはすぐJAF等を呼びましょう。

◇出典◇
ベストカー(三推社/講談社)2001年6月10日号
ページ下部欄外より抜粋。同じく2004年5月10日号も参照。